【vol. 57】レトロブームからの、建築価値再考
- 3月11日
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更新日:3月12日
ここのところ、街で見かける若者のファッションやSNSの画像を見て、懐かしいアイテムを発見しては「これ、あったねー!」と、そして「いつごろだったっけ?」と時代考証をしている。90年代?80年代?こちらの記憶も曖昧なのだが。。。いろんな時代のものが、混在している。若者は古着の中から、知らない時代のものを掘り出して、楽しんでいるようだ。
ファッションだけではなく、食べ物も、特に我々が展開しているスイーツにも似たような傾向がある。レトロな昭和の喫茶店の硬いプリン、とか、バタークリームのケーキとか、技術も保存状態もよく無かった時代のものだと思うが、今の人は「知らない」から「新しい」と捉えられる。が、ただ昔のものをリバイバルさせるだけでは意味がない。
そこに、本質的な価値を見出して改めて評価に値するか、今の時代だからこそ、時代を越える価値を追認できるか、など、その価値を吟味する必要があると思う。スイーツでも、昔の生クリームの代替え品だったバターケーキではなく、今なら産地にもこだわった発酵生バターを使った特別なケーキとしての価値が求められる。
さて、小さなケーキの話から大きな建物の話へと、少々飛躍するようで恐縮ですが、あながち、本質は近いところがあると思う。
建築などの不動の存在は、街の様相を決めるがゆえに、その価値評価の役割は大きい。
バブル後しばらく、日本の円が強かったことを背景に、多くの海外建築家、特にポストモダンを掲げる気鋭の建築家の建造物が日本で実現し、都市部の一端を形作ってきた。当時の経済力を背景にその建築素材は、思想と至高の産物として、一切の妥協なく、本物素材が使われていた。原石を切り出した大理石など、今では、高騰する工事費の中で、目も眩むような素材がふんだんに使われていたり、中には今ではもう実現不可能に近い建築物もあるだろう。
とはいえ、昔のままをただ保存するのだけではなく、その価値を再考して、再解釈して、その価値を最大化していくことが求められるのではないだろうか。難しい宿題を突きつけられている今日この頃である。(ケーキのようにはいかないなぁ)
レトロブームからの、建築価値再考








