いつ頃までだろうか、以前は生き方や価値にもシンボル化されたベクトルがあったと思う。時代の風潮として、なんとはなしに同調的な方向性。それをカリスマ的存在が引っ張っていた。90年代のキムタク、アムラーとかが最後の世代と言われている。およそ、30年前。そのあたりから、ブームの主役はカリスマから、それを追っかける一般ピープルとなっていった。〇〇族などとグルーピングできて、「塊」として把握できたので、カテゴライズしたターゲットとして捉えられやすかった。
その後、スマホが普及し、ありとあらゆる情報が垣根なく溢れる中で、今や、完全に個々人の目指すところはバラバラとなっている。人々の求める生き方の価値は、多様で、多面的。つまり「人ぞれぞれ」な上に、一人の人の中にいろんな価値観が共存する。今はカリスマではなく「推し」という動向があるが、おおよそ、ネットを通じて育まれることが多く、一見して分かりにくい。その対象も実在の人物だけでなく、アニメキャラ、ゲームアバターなど、AIが生み出すものもあるだろう。それぞれの価値が見出しにくくなった今はカテゴライズされたターゲットイメージを当てこんだマスマーケティングはもはや意味がなくなった。
では、どのようにマーケティングしていくのか?
まず、「個」一人の人の中にいくつもの価値観があり、そのどこかに共感することを目指す。
そして、共感した人から、同じ思考性のある人々にSNSなどで共感を広めていくコミユニティの形成を目指す「CO」。
「個」人の共感から、「CO」コミュニテイに繋がる環境づくり、仕掛け作りこそ、今、必要とされるマーケテイング。
つまり、バトンはお客様の方にある。我々はバトンが何か、バトンはどう渡されるのか、バトンはどう繋がれるのか、とバトンのデザインとそのストーリーを用意する。今必要とされてるのは、心に響く、人を動かすストーリー。
そうこうしてるうちに、AIがそれらを学習して、個人に対しても、コミュニティに対してもパーソナライイズして、カスタマイズされたマーケティングを可能にする日もすぐに迫っている。