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【vol. 25 】この秋、都心ファッションビルに異変?!

秋の立ち上がりにファッションビルでは恒例となっている、10%offキャンペーン。

ところが、複数のテナントや関係各社の話によると、どうやら、コロナ以後初の期待にそぐわず、芳しくなかった模様である。なんとか、売上を維持した店の傾向は、客数減を客単価UPでカバーしたというもの。


コロナ禍の約4年、すっかりお買い物、特にファッションに関する買い物感覚は変化してしまったようである。以前のように、リアル店での値引きキャンペーンのその期間にわざわざお店に行かなくとも、ネットでも値引きキャンペーンはあるし、色々と便利にお得に買い物ができるチャンスが広がった。

一方で、超都心の限られた百貨店は過去最高の売り上げという。また、特別な限定商品を扱う一部の路面店なども、好調という。もちろん、円安を追い風としたインバウンドの買い物が大きい。が、それだけではない、特に若い世代の買い物感によるところを見逃してはならない。

ファッションビルの主要店舗である、今時のトレンドを揃えた店よりも、百貨店などの価値に保証のあるブランドもの、高額商品、限定品が人気なのはなぜか?

一つには、いわゆる個人間取引による再販、メルカリなどがすっかり定着したから。買う前から、後日ネットで売りやすい商品を選んでいる、という。となると、記号性の高い商品の価値は落ちにくい。多少、買い物に迷ったり、失敗したとしても、ブランド物なら、すぐに売れる。そういう気軽さも手伝っている。さらに、SDGsな観点からも、無駄にしない、誰かのためになる、という免罪符も得られる。というか、すでに、若い世代、(20〜30代)には、いたって普通な日常のことだという。

はた、と気づいて、あるデヴェロッパーの商業施設開発プロジエクトメンバーの若手に、自分のファッションはどこで買うのか?と尋ねたところ、当然のように「ネット」と答えた。さらに、転売するの?と聞いたところ、「ブランド物ではないので、全然売れません!」という返事が返ってきた。異変はすでに足元に蔓延っている。。。

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