ここ数年、実際、我々に依頼されるプロデュース案件は、商業施設単体はほとんどない。レジデンスやホテル、オフィスなどの複合街区はもとより、公園との連携、道の駅、リゾート施設、スポーツ関連、ミュージアム関連、教育関連など、多岐わたってきている。逆説的にいうと、商業施設だけでは、事業が成り立たない、ということでもある。コロナ前までは、駅前の再開発でオフィスが主軸、プラス、ホテルやレジデンスといった複合街区であったが、今は、そのオフィスも需給のバランスがとりにくい。となると、開発立地や規模も、郊外や中小規模、そして、公園や行政との連携施設などへと、地元密着型への傾向が高まっている。
一方で、スマホでポチれば、なんでもモノは買える時代に、モノの集積を競った大型モールなどは、もはやウザイ存在か?また、スマホでの情報でまずは目的地に向かう行動原理では、駅ビルなどの利便性も二の次でしかない?その上、溢れる情報は、スマホ疲れを起こし、人の行動を鈍らせさえする。そうなると、人々が求めるのは、まず、癒し、潤い、寛ぎ、などのゆとりのある環境。そして、暮らしの本質に寄り添うソリューション機能。そして、未来を拡張する体験か。。。
翻って、商業施設の歴史を見てみると、弊社が携わった「ららぽーと東京ベイ」など本格的な大型開発がお目見えして、「ショッピングセンター元年」と言われたのが、2000年。それから23年、コロナ禍を経て、さらには、働き手不足と24年問題を乗り越えるべく、今、我々は次のエポックメーキングに向かっている。
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