公園、駅前広場、道の駅、など、公的な環境を民間の力で「活用したい」プロジェクトが目白押しだ。大抵の目論見書は、地域連携施設とか、交流施設とかを目指しているという。しかし、これといった絵姿が見えないので、それを民間でお願いしたい、というもの。
同じような目論見書でも(事実コピペ的なのが多い)その地域の持つ特性、歴史、状況は違うので、民間事業者はその立地や環境、条件を精査して、事業性の可能性の高い案件にはとても積極的で、コンペの結果、大手デベロッパーが獲得、開発して成果を上げている事例も出てきた。が、今のところ、とても条件の揃った案件だけだと思う。
この手法自体は、地方の地域の活性化の方法として救世主的な活路だと思う。が、しかし、実際は、これといった特徴のない、どこにでもあるようなイマイチパッとしない?場所はどうだろうか。なかなか手を上げてくれる民間事業者も少ない(無い)のが現実である。施設や建物といったハードに関しては、公的資金を投入すれば、形はできる。場合によっては、有名建築家に依頼することもできるかもしれない。
ただ、それは必要だが十分ではない。何よりも大切なのは、地域の人々が自分の意志で自分から参加したい、友達に伝えたい、そして、自分の子供に残したい、と思える関係性を築けるかどうかだと思う。さらに、自分たちの意思で活性化していく仕組みまで作ることができれば、愛着も展開も広がるだろう。
とはいえ、実際にはどうすれば、地元の人々が参画できるのか?そのためには、具体的なプランが必要だ。そこで、ビジネスモデルと言えるパッケージを用意して、誰でも参加できる状態にして、参加者を募集する必要がある。事業収支、業態設定、商品開発、営業戦略、PR計画などを揃えて、かつ、実際に運営オペレーションまで伴走する仕組みも用意する。誰もが手をあげやすい状態にして、できるだけ簡潔に伝わる手段で呼びかける。WEB、SNS、などで共感の輪を広げたい。
ひと昔前、地方の活性化では、よく地産地消というキーワードが使われた。その土地のものをその土地で活用する、というもの。これも実は、ものではなく、人の行いのことを言っていると思う。
「自参自承」その土地の人々が自ら参画し、自ら継承する。人の行いだけが道を開く。
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