top of page

【vol.9】駅前広場はイベントのモノ?

近年できた駅前広場は、大きな面積がただっぴろく平坦に広がってることが多いと思う。避難場所などの機能はもちろんだが、イベントを主たる目的に計画されているのだろう。イベント利用の可変性自由度を確保するために、イベントがない時間は何もない巨大な空間が生まれる。

駅舎や隣接する商業施設、バスやタクシーといった乗り場への経路はなんとか確保されてるものの、往々にして利便性に欠ける。乗り継ぎには、何もない広い広場を突っ切っらざるを得ない。ましてや、雨の日は傘をさして突っ切るか、庇のあるところを伝って遠回り。コロナでイベントなど出来なかった間はガランと広がったのっぺりとした空間がなんともやるせなかった。。。今はイベントが再開されて、面目躍如なのだろうが、常にイベントが開かれてるわけでもないので、どうも、どこか普段使いが割りを食っている気がして仕方ない。

広場を取り巻く新設された商業施設も直角的な存在で広場との関係性が断たれてる印象を受ける。敷地境界で分かれないようにペイブメントなどの素材をあわせる配慮などは開発時にはあるが、その後の運営上の範囲としては断絶されてることも多い。特に公共空間と民間空間との連動はどうだろうか。実際、民間施設から公共道路へカフェの席などを配置してる例もあるが、「社会的実験」という括りであくまで暫定である。また、実際の運用はカフェなどの事業者の負担が大きい。昨今の人手不足から、手が回らないというのが実情だ。

ということで、イベントの採算性が合う時期、開催期間だけのモノになってはいないだろうか?それ以外の期間もイベントの設備が広場の一角に常時存在してる景色が常態化しているところもある。昨今、各地の駅前広場の民間活用という手法でコンペなどが実施されているが、結局のところ、イベントが成り立つかどうか、稼働率はどうか、運営者はいるか、にかかってる。


単に民活、管理委託という手法ではなく、基本的な考え方の変換が必要だと思う。

イベントがない時こそ広場としてのあり方が問われてると思う。

パブリック(不特定多数)とコモン(特定多数)という概念から、見直したい。




bottom of page