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【vol.8】シームレスな空間の居心地は?ー新・阿蘇くまもと空港

新しくなった阿蘇くまもと空港を利用した。いわゆる民間活用での開発運営で主体は「ららぽーと」などSC開発で定評のある三井不動産。この10年ほど月に1回は熊本空港を利用してるので、以前の空港、工事中の仮空港も、なんとなく人の流れや総量がわかる感じでいたが、新しい空港は思ったよりコンパクト。おそらくデジタル化で余計なスペースは必要ないのだろう。また、今回は、搭乗者の利用をメインとした一次開発で、これから、二次開発で地域に開かれた多様な利用をイメージしたエリアが計画されてると聞く。

今までとの大きな違いは、荷物検査を受けて中に入らないと何もない、ということ。従来は食事をしたりお土産を買ったりするのは外、中に入ると航空会社の売店くらいしかないのが一般的だった。が、逆に、中に入らないとほぼ何もない。見送りに来た人はガラス越しに中を見るだけである。中に入るとすぐそこはモールのような流れる動線のゾーニングで、お土産やテイクアウト、フードコートも境目なく組み込まれている。定番の店の間に入り込む新しい店はイートイン併設が多く、その場の臨場感を高める意図が感じられる。

フードコートで話題のにぎりたての鮨をいただき、お土産に出来立ての「いきなり団子」を買い、さあ、待合に。。。いつもなら、搭乗口の前の待合に並んだ連結椅子のゾーンで座って搭乗開始を待つが、そういう椅子がない?!フードコートのバーがある周辺に少しある程度。まぁ、フードコートの椅子にそのまま座っていればいいのだが、なんだか勝手が違う。。。

今回は最終便で、もう限られた人数の利用状況だったが、少しばかり心配になった。便数、人数、これからの増便の予測ももちろん織り込み済みでの計画で、まさか、椅子が足らなくて多くの人が立ち往生ということにはならないはずだと思う。搭乗の直前まで、買い物や食事を楽しんでほしい!という企画であることはよくわかるし、これからの空港の新しい取り組みと思う。が、人の習慣を変えさせるには、少々無理があるような。。。

はっ!とそこで気づいた。もしかして、少しだけある従来型の連結椅子が蛇足なのでは?

せっかくシームレスな環境を目指したのに、最後にやはり少しは連結椅子も必要では?とハイブリッドにしたことで、従来の利用方法を想起させてしまい、なんともいえないどっちつかずの状況を生み出してるのかもしれない。。。ちょっと思い切りが足らなかったのでは?あるいは、シームレスにするにはそもそもの面積が狭いのか?あくまで憶測ではあるが。。。


誰でも使える連結椅子はいわゆるパブリックスペース的な存在、目的を持って使うフードコートの椅子はコモンスペースといえる。

想い想いに自由に使って欲しい、その意図を汲んで利用されるかどうか。椅子は配置換えも簡単なので、まずはやってみて、ということだろうか。今後の動向が楽しみでもある。


パブリックスペースとコモンスペースについて↓



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