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【vol.5】開発の時間


プロデュースのとっかかりは、そこそこの規模の開発案件だと5〜6年後の開業を目指す事が多い。今なら、2028〜9年ごろオープンだろうか。実際にその頃の開発プロジェクトが目白押しと聞く。

いつの時代もマーケット変化の予測は難しい。デジタル進化の度合いが加速して、なおさら。さらに、ここ数年のコロナ禍での生活スタイルの変化は軽く予測を超えたものだったと思う。しかし、何があっても5年後を予測しながら、計画を進めて行かざるを得ない。

今に引っ張られすぎず、先を見据えつつ、共感を得られる未来の絵姿をつくることが求められる。


まずは、大枠を掴む=変化に対応できる骨格。

計画を進めるには、一旦のベースになる構想を立てて、いくつかの段階を経て、深化=進化させていくしかない。今ある情報は今の段階のもので、その先へは想像力=創造力が必要になる。

とはいえ、計画を推進して行くには、既存の実績や予測の根拠が求められることも多い。が、実績のあるものだけでは未来は作れない。無いものを創り出す気概と仕込みの時間が必要になる。情報を集めて回り、つなげていく時間こそ、開発の基盤を作る時間になる。


もう一つは、切り口をつくる=共感を牽引する性格。

プロジェクトを特徴づけて、かつ、周りの共感を得られる表現を持つことで、開発の時間を効率的に運べると思う。目指す世界観を共有することで、協業や協力を仰ぐことにつながりやすい。掛け声的な役割があるので、目指す世界観をあえて擬人化して表現するなど、正しい言葉遣いでなくとも、少し外した遊びの要素があっても良いと思う。誰もが口に出して、言い切れるくらいの簡潔な表現の方が、誰にでも伝わりやすく、時間の効率化につながりやすいと思う。


例えば、「公園に、なろう。」

一見何のことかわからない。プロジェクトの背景には、まずは公園のように開かれた場所になる、そして来る人が思い思いの使い方を描けるような場所になって欲しい、という思いが込められている。とぼけたイラストも主体は来る人々にあることを示唆してる。

実は、この案件は、百貨店のリニューアルである。



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