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【vol.17】街のDNAを進化し続ける「ウォーカブルシティ」ー新潟 万代シテイ50周年

長年、街づくりに関わっている新潟市の中心市街地、万代シテイが50周年を迎えている。

折しも、来春に向けて新潟駅が再開発されるタイミング。その距離は約500m程度で徒歩8分、ウォーカブルなエリアとしての連携が期待される。


万代シテイは新潟交通のバスターミナルを中心に開発された街区で、百貨店(新潟伊勢丹)といくつかの商業施設(ビルボードプレイス、BP2、ラブラ、ラブラ2)ホテル(シルバーホテル)などで構成されている。特徴的なのは、街区の建物は全て2階レベルでペデストリアンデッキで繋がれてること。そもそもが50年前から「人が歩く」ことにやさしい構造をしている。

この数年、コロナ禍にもその「街歩き」の性能を上げるリノベーションを続けてきた。お客様目線で「街歩き」が楽しいを改めて見直し、特にファミリーフレンドリーな街を目指した。

街の中心軸であるメインストリートは、元は車道にパーキングメーターがついてる車優先道路であったが、それを廃止して、歩道を拡幅して段差もなくし、温かみのあるペイブメントとベンチを配し、路面型の店が並ぶ通りとなった。「ほこみち」(歩行者利便増進道路制度)として、新潟初、第一号の許認可を得て、これからのイベントの展開がさらに期待される。バスセンター2階のイベント広場は拡張し、子供の遊び場「なないろガーデン」を新設。さらにペデストリアンデッキを新設して、回遊しやすくした向かい側には、地元の食を味わえるフードコートを新設した。今、ガーデンは子供たちで賑わい、テラスのあるフードコートは思い思いに過ごす人々の憩いの場だ。

都市開発に関わる人はお分かりと思うが、道路の変更や道路上の構造物を新設することはそう簡単ではない。が、万代シテイでは、「街歩き」を街の魅力として最優先するというDNAが浸透してるゆえ、官民関係各者の協力体制が築かれている。街の未来に向けて、何が最も大切かが共有されているのだ。

近年、どの地方都市の中心市街地も集客の問題は、大概、駐車場がらみである。万代シティは早くから駐車場をビルの上層階および街区の周りに配置してきた。が、郊外のモールなどと比べると、利便性という点では料金を含め、その比較は厳しい。それを押しても行きたくなるような街づくりが必要になる。街に来てから、そぞろ歩きが楽しめる「街歩き」の環境づくりは時代を越える価値がある。



-ビルボードプレイス


-ラブラ万代


-新潟伊勢丹


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